100年ぶりの《尋牛》を公開中。平櫛田中彫刻美術館「特別企画 岡倉天心と平櫛田中」展

「特別企画 岡倉天心と平櫛田中」2016.8.31ー11.6【小平市平櫛田中彫刻美術館】

%e5%b9%b3%e6%ab%9b%e7%94%b0%e4%b8%ad%e7%9c%8b%e6%9d%bf1855

玉川上水沿いの緑豊かな環境。平櫛田中氏の旧邸宅の建つ場所に、平櫛田中彫刻美術館はある。ここでは現在「特別企画 岡倉天心と平櫛田中」展が開催されており、そのサブタイトルには、“天心が愛でた《尋牛》百年ぶりの公開”とある。

《尋牛》は、禅の悟りに至る道を牛を主題とした10枚の絵「十牛図」に基づいてつくられたものであり、自らを探し求めてようやく自分を見つけ出す姿を表現。真の彫刻とは何かを求める田中が、自身の姿を投影したと言われる作品である。

師と仰いだ岡倉天心に制作中に高く評価され、作品を病の天心に見てもらうために急いで制作したが臨終に間に合わず、通夜の日に天心に見せたとのエピソードがある《尋牛》。大正2年の展覧会で発表後、行方が分からなくなっていたこの作品がこのたび発見され、100年ぶりに公開されている。

前をしっかりと見据えて、前のめりで歩く人。《尋牛》には、牛の姿はない。年輪まで見える決して大きくはない木彫の像なのだが、真を追い求めるこの人の姿に心を奪われ、目を離すことができない。魂というものがあるのなら、確かにここにあるように感じられるのだ。

平櫛田中が晩年暮らした旧宅は、庭も美しく、アトリエや茶室なども見ることができる。美術館のホームページでは、平櫛田中の人生を描いた漫画「田中彫刻記」や館内でも利用されている音声ガイドで、その人生や作品をやさしくナビゲートしてくれるのもいい。

%e7%89%b9%e5%88%a5%e5%b1%95%e7%9c%8b%e6%9d%bf1854

******************

小平市平櫛田中彫刻美術館
東京都小平市学園西町1-7-5

http://denchu-museum.jp

******************