今、最もホットな美術館といえば、ここ。ノーベル生理学医学賞を受賞した大村智氏が館長を務める「韮崎大村美術館」だ。韮崎の街と山々を望む高台ののどかな環境にあり、女性芸術家を中心にした珠玉の収蔵作品をゆったりと堪能できる。
思えば、筆者が9月20日に「実りの季節ー生活の中の果物ー」展の初日に伺ったときには、夕方だったこともあり、館内はとても静かだった。それは、実は、大村先生が与えてくれた、とても贅沢な環境だったのだということを、あらためて知ることになった。
( 以下、先月の文章を掲載したい )
「実りの季節(とき)ー生活の中の果物ー」2015.9.20~2016.1.11【韮崎大村美術館】
望月春江が、桃やすももを描く《はつなつ》。素朴なのに季節を迎える喜びに満ちているような、やわらかな風情がたまらない。降矢組人の《白桃》の桃は、まるでそこに存在するかのような瑞々しさだ。どちらがいい、ということではない。ただ「桃」を描く、それだけでも、これほどの表情の違いがあるのだ、ということにあらためて気づかされる。
展示されているのは、小倉遊亀の《盛りかご》、梅原龍三郎の《赤絵鉢・静物》、岸田麗子の《いちご》、近藤浩一路の《ぶどう14》ほか、多くの画家の作品。どんな有名な画家も、肩肘なぞ張ることはない。視線の先にあるのは、季節とともに登場し、日常を少しだけ色鮮やかにしてくれる「果物」なのだ。
企画展の展示室の先には、常設展示室。上村松園の《桜下処女図》や、片岡球子の面構えシリーズ《烏亭焉馬と二代団十郎》に魅了される。これがかつて個人の所蔵であったことに驚くとともに、比較的静かなこの美術館で出会えることにも驚く。
美術館の道の向かいには、立ち寄り温泉「白山温泉」。こちらの館内にも絵画などが展示されている。
のどかな眺望と温泉で癒された後、寛いだ気分で訪ねたら、目を見張るような作品に出会う、まるでお宝発見のような美術館が、ここ。
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韮崎大村美術館
山梨県韮崎市神山鍋山1830-1
http://www.nirasakiomura-artmuseum.com
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