「ウィーン美術史美術館所蔵 風景画の誕生」2015.9.9-12.7【Bunkamura ザ・ミュージアム】
人生で初めて行った外国が、オーストリア。ウィーンへの1人旅だった。決して大きくはないウィーンという街は、リング大通りを円を描くように走る「トラム」で、すぐに把握できてしまうほどコンパクト。道端の小さな駅から犬が一緒に乗ってきたりと、首都としてはのんびりとした印象だった。
だが、この小さな街は、やはり芸術の都。ヨーロッパ中から集まったその芸術作品を鑑賞するには、たった数日の旅ではまず無理だと、身にしみて感じたことを思い出す。
ウィーン美術史美術館。ここは、当時、私が駆け足で見ることしかできなかった場所だ。現在、Bunkamuraで開催されているのは、その膨大なコレクションから、「風景画」という独特のテーマを切り口にした展覧会。
風景画が〝誕生する〟とは、日本人の感覚ではまったく理解しがたい。だが、これは社会と密接に結びついた西洋絵画の歴史ならではの、革新的な〝誕生〟なのだ。
そのアプローチは〝時禱書と月暦画〟から行われる。「時禱書」(じとうしょ)とは、信仰や礼拝の手引き書。美しさを競うように作られた実物の書物ならではの存在感がある。また、「月暦画」とは、12か月の労働や動物、自然、星座などが描かれた絵。生活感・季節感あふれる大きな月暦画は、なかなか絵画には描かれることのない、人々の暮らしを垣間見るようだ。
ある1つのテーマ、風景画に一歩近づく。そして、深遠なるウィーンの端っこに触れる。そんな展覧会が、今、渋谷に。
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Bunkamura ザ・ミュージアム
東京都渋谷区道玄坂2-24-1
http://www.bunkamura.co.jp


