岸田劉生 麗子 夏子 三人展 〜清春白樺美術館で出会う、三人の麗子像とそれぞれの画家の眼〜

清春白樺美術館で「岸田劉生 麗子 夏子 三人展」(2015.6.22〜7.26)が始まった。

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時代を超えて人の心を惹きつけて離さない「麗子像」。岸田劉生は、娘・麗子を描き続け、数十点もの麗子像を残したという。本展では「麗子嘲笑(青果持てる)模写」とともに風景画などの作品にも出会うことができる。

娘を描く父の眼は、神秘を見るようだ。ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」にヒントを得たと言われる麗子像。仏像にも似たミステリアスで深淵なイメージの中にも、見守るような眼差しが交差する。私には、隣の「エターナル・アイドル」の表情に麗子像と同じ面影を見たように思えた。神秘を見る一人目の眼、岸田劉生。

5歳から16歳まで父のモデルを務めた〝日本一有名な少女〟麗子像の岸田麗子は、父の没後、画家としても活躍した。実際に目にすると、女性や静物を描いた作品は、やわらかな印象。桜島は、自然の躍動とともに自然のおおらかさを感じた。

鵠沼の自宅前で撮った写真を元に描かれたという「1923年8月の思出」で、32歳の劉生は笑顔を浮かべ、9歳の麗子は子供らしく寄り添っている。あたたかな親子の姿に、父への安心感が漂うようだ。麗子から見た父は、きっとこんな生き生きとした父だったのだろう。

また、麗子は自画像も残している。自身が描く、どこか素朴な麗子像と、大人になった自画像。麗子自身が見た麗子は力強く、確かな存在としてそこにいる。生きることを知る二人目の眼、岸田麗子。

他の二人の作品と比較すると、娘・岸田夏子の描く幼い麗子像は、微笑んでいるように見える。どうしても滲み出てしまうやさしさがそこにあるのだろうか。

そして「二人の麗子(矛盾)」で描かれるのは、これまでのどの麗子よりも美しい麗子だ。日本画、障壁画を思わせる金箔の背景に、艶やかさが際立つ作品。続く、もう一つの作品「二人の麗子」では、金色に映える人物と奥行きを感じさせる風景に目を奪われた。なぜ、麗子は二人いるのだろうか。麗子という存在の象徴するもの。母として、さらに深く麗子を捉える三人目の眼、岸田夏子。

岸田夏子氏は、この清春芸術村の桜を長く描き続け、現在は清春白樺美術館の館長も務められているそう。本展では代表的な桜の作品ではなく、麗子の作品が並ぶ。

ご自身、母、祖父の絵なので、解説もほしいような気がするが、知識ではなく感覚で、作品を堪能させてくれることを喜ぶべきなのかもしれない。

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清春白樺美術館
山梨県北杜市長坂町中丸2072
http://www.kiyoharu-art.com/index.htm