江戸の熱狂を体感する。「俺たちの国芳 わたしの国貞」

「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」2016.3.19-6.5【Bunkamuraザ・ミュージアム】

クニクニ1389

摺りの素晴らしさが際立っている。これが、ボストン美術館所蔵作品か。肉筆画と見紛うほどの「八代目市川團十郎死絵」(歌川国芳)。最高の紙、最高の摺りにこだわった一般には売り出されることのない特注品だというその作品に驚いた。

猫又やどくろのモチーフ、独特の構図で江戸のアヴァンギャルドを感じさせる国芳。その一方で、現代のポスターを思わせる役者の顔の美しさで、やはり本流であることを実感させられたのが国貞だ。

「御誂三段ぼかし」(歌川国貞)のずらりと並んだ役者のカッコよさといったら、これは江戸の女性たちが熱狂するのも無理はない。国芳を観に来たのに、いつの間にか国貞に魅了されてしまった。

中村七之助さんの音声ガイドを聴いていると、役者絵のあたりでB’zの松本孝弘さんによる本展のイメージ曲が紹介される。いろいろ考えずに、まあ熱狂してみなさいな、という声がどこからか聞こえてくるようだ。これぞ、渋谷で感じる、江戸のムーブメント。

文化村1392

******************
Bunkamuraザ・ミュージアム
東京都渋谷区道玄坂2-24-1
http://www.ntv.co.jp/kunikuni/
******************