しあわせがあふれる日本画づくし!「ゆかいな若冲・めでたい大観 ― HAPPYな日本美術 ―」

「特別展 伊藤若冲 生誕300年記念 ゆかいな若冲・めでたい大観 ― HAPPYな日本美術 ―」2016.1.3-3.6【山種美術館】

ふっくらとした白い袋が福々しい。これは、伊藤若冲《布袋図》をイメージした特製和菓子「招福」だ。山種美術館を訪れる楽しみの1つが、Cafe椿でいただくことのできる特別展の作品にちなんだ和菓子。今回の展示からは、ほかにも横山大観《心神》から「雲海」、小林古径《松竹梅》から「吉祥」、河鍋暁斎《浦島太郎に鶴と亀》から「ことほぎ」、伊藤若冲《恵比寿図》から「えびす鯛」の全5種類。

作品の素晴らしさに触れたのちに和菓子をいただくと、日本画をもう一度見るような思いがする。そして、その豊かな表現力に、情緒や名残を大切にする2つの「和」を知る。日本画専門美術館ならではの趣向と、軽やかな切り口の展覧会。いつも日本画の魅力をフレッシュに伝えてくれる美術館だ。

新春をことほぎ、1年の福を願う正月。ここに揃ったのは、愉快に明るく、幸福感だけが残る作品たち。伊藤若冲の《仔犬に箒図》には深遠なる知性を、横山大観の《心神》には画家の魂を見るようだ。そして、「松竹梅」や「鶴亀」、「鶏」などのモチーフに込められた意味。知っていると思っていた“日本らしいモチーフ”。ここで、あらためて出会った思いだ。

若冲大観1135

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山種美術館
東京都渋谷区広尾3-12-36
http://www.yamatane-museum.jp
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