【アートな1冊】仕事の仕方を変える。『ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと』

『ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと 世界に通用するデザイン経営戦略』小山田育・渡邊デルーカ瞳(クロスメディア・パブリッシング/インプレス 2019年)


日本では、デザインするというと商品や広告などにおいて見た目のいいものを作ることだと思われていることが多い。「デザイン」とは? 「ブランディング」とは? イメージとは異なるデザインやブランディングの実際を知ることで、ビジネスにおいて自分がするべきことが見えてくる本書。

優れた技術力や商品力を持っていても、その世界観を直感的に感じてもらうことができなければ、その魅力は伝わらない。そして、それは適切な相手に心に響くストーリーとして共感してもらうことが大切だ。

実務として経験してきたブランディングの手法を解析、論理的に解説した本書は、デザイン業のみならず、あらゆる業種で役立つ内容になっているのではないだろうか。

著者は、NYを拠点に世界で活躍する2人のクリエイティブ・ディレクター。2人は日本人であることから、アメリカで仕事をする上での実務的な知識を取り上げながら “日本のビジネスリーダーに伝えたいこと”は展開していく。日本語と英語における伝え方の違いから、ビジネスにおいて大切なことまで、読み物として織り交ぜた「COFFEE  BREAK」というコラムも魅力たっぷりだ。