熱狂するほどの衝撃、国立西洋美術館の「カラヴァッジョ展」

日伊国交樹立150周年記念「カラヴァッジョ展」2016.3.1-6.12【国立西洋美術館】

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熱狂するほどの衝撃。ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(1571-1610)の作品にあるのは、目をそらすことのできないリアリティ。動き出しそうなほどの生々しさをまとったかと思うと、次の瞬間には、どこまでも深い静謐に落ちている。

彼の画法に影響を受けた“カラヴァジェスキ”と呼ばれる多くの画家を生み出し、絵画史を変えるほどの存在感を放ったカラヴァッジョ。彼の人生は、人並み外れて波乱万丈だ。有力者からの依頼は後を絶たず、名声を得て騎士の称号与えられることもあれば、刀を所持して暴力事件を起こし牢獄に囚われるなど、まさに光と影。さらには、殺人の罪でローマから逃亡。赦しを乞うためにローマに船で向かう途中、熱病で38年の最期を遂げた。

彼が亡くなった時の荷物には3枚の絵があったとされ、その1枚が、2014年に発見され今回世界初公開となる《法悦のマグダラのマリア》だと考えられている。

グラスのワインも揺れる《バッカス》の退廃と若さの複雑な共存、水面の自分の姿にキスしようとする《ナルキッソス》の生々しさ。肉体も美しい《洗礼者聖ヨハネ》や、傑作《エマオの晩餐》。感嘆の連続だ。世紀の競作ともいわれる「エッケ・ホモ(この人を見よ)」は、チゴリの作品と比較することもできる。

作品から彼の変化を感じると同時に、「風俗画:五感」「静物」「肖像」「光」「斬首」「聖母と聖人の新たな図像」と章ごとに画家・カラヴァッジョと美術史を知る上で重要な視点が明確にされており、精度の高さを感じさせる展覧会だ。

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国立西洋美術館
東京都台東区上野公園7-7
http://caravaggio.jp
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