1868ー2018 / 江戸東京博物館の「東京150年」

企画展「東京150年」2018.8.7〜10.8【江戸東京博物館】

明治維新から150年となる、2018年。両国の江戸東京博物館の常設展の一角では、企画展「東京150年」が開催されている。決して大きな企画展ではないけれど、見ごたえは十分。江戸から「東の京」となり、繰り返す大変動の中、明治・大正・昭和・平成を駆け抜けた東京の姿と、これまでに見たことのなかった東京に出会うだろう。

江戸から東京へと改称した街には、維新後の荒廃した大名屋敷が残った。官庁に転用した旧大名屋敷や動乱後の庶民など、明治期ならでは写真がその様子をありありと伝えているのが興味深い。

展示室を進むと、壁には1923(大正12)年の関東大震災で炎につつまれる街の様子が映し出されている。まず映像があることに驚き、その後、被害の甚大さに胸が詰まる。そして、この街は都市計画によってわずか数年で見事復活したかと思うと、また戦争で焼けてしまうのだ。

だが、復興の度に前向きに変化する東京の歩みは、スピード感に溢れている。そういえば、江戸も火事の多い街であった。江戸の人なら木造家屋の復元はお手もの…と言ったら誰かに叱られるかもしれない。でも、今と未来をつねに見据えている東京の逞しさの一端は、ここにあるのだろう。

「明治維新を決定づける文書」「当時の人々の様子を撮影した写真」「カラー写真や映像を残したアメリカのカメラマン」「災害から生まれた都市計画」「東京オリンピックと道路のかかわり」「鉄道と郊外へ人口移動」「同じ場所を比較できる写真の数々」など。人それぞれに、興味を覚える箇所は違っているかもしれない。

その一方で、東京にゆかりのある人ならば、知っている街の知らなかった一面にきっと出会う。そんな企画展だ。

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江戸東京博物館
東京都墨田区横網1-4-1
https://www.edo-tokyo-museum.or.jp
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